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労働者派遣法施行規則と指針改正について
公開日:2021/03/30 - 最終更新日:2022/09/21
2021年1月1日と4月1日、労働者派遣法施行規則と指針が改正されています。派遣会社として対応が必要な内容が含まれています。
主な改正項目
2021年1月1日
(1) 派遣社員の雇入れ時の説明の義務付け
(2) 労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成 (3) 派遣先における派遣社員からの苦情の処理について (4) 日雇派遣の休業手当支払い等 |
2021年4月1日
(1) 雇用安定措置に係る派遣社員の希望の聴取と記録
(2) インターネットでの情報提供について |
(1) 派遣社員の雇入れ時の説明の義務付け
派遣会社に対し、派遣会社が実施する教育訓練および希望者に対して実施するキャリアコンサルティングの内容について、派遣社員に対する雇入れ時の説明が義務付けられました
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・教育訓練等の説明についてはこれまで、「望ましい」とされていましたが、「しなければならない」と義務になりました。
・タイミングは「雇用しようとする際」であり、雇用契約締結前の応募者との面談時などです。書面に記載しておく方がいいでしょう。
・説明する「教育訓練」」とは、計画に記載した教育訓練の内容であり、1年目〇〇、2年目〇〇・・・・などです。また、説明する「キャリコンの内容」とは、申し込み方法や窓口、「希望があれば全員受けることができます」「秘密は守ります」などを記載します。
(2)労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成
書面により作成することとされている労働者派遣契約について、電磁的記録により作成することも認められるようになりました。
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・書面での保管は必要ありませんが、いつでも出力してただちに書面できることが必要です。
(3)派遣先における派遣社員からの苦情の処理について
派遣先に課されている労働関係法令上の義務に関する苦情については誠実 かつ主体的に対応すべきことが派遣先指針に明らかにされました
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・派遣先指針において強化されました。
(4)日雇派遣の休業手当支払い
派遣契約の中途解除が行われた場合について、必要な雇用管理が適切に行われる ようにするため、派遣会社は、新たな就業機会の確保ができない場合であっても、 休業等により雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすべきことが明らかにされました
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・派遣契約の中途解除が行われた場合、新たな派遣先を紹介したり、休業補償することが義務とされています。これまで、日雇派遣では書かれていなかったこの義務が新たに義務となりました。
2021年4月1日施行
(1)雇用安定措置に係る派遣社員の希望の聴取等
派遣会社は、雇用安定措置において、派遣社員の希望する内容を聴取しなければ ならないこと、また、その聴取結果を派遣元管理台帳に記載しなければならないこととされました。
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・派遣会社は、同一の組織単位に継続して3年間派遣される見込みがある方には、雇用安定措置を講じる必要があります。(1年以上3年未満は努力義務)3年になる前には、派遣社員の希望を聞くことと派遣元管理台帳に記載することが新たに義務となります。
・対象者は継続雇用を希望する人であり、自己都合で退職する人は対象外です。
雇用安定措置とは、次の4つが掲げられています。
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
- 派遣元事業主による無期雇用
- その他雇用の安定を図るために必要な措置
(2)インターネットでの情報提供
派遣会社による情報提供の義務がある全ての情報について、常時インターネットの利用その他の適切な方法による情報提供が義務付けられます
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派遣会社による情報提供の義務がある全ての情報について、常時インターネットの利用が原則とされます。
インターネット等による情報提供が義務付けられているものは、次のとおりです。(2021年4月1日改正後)
このうち、改正までは③、⑦、⑧が義務づけられています。
① 派遣労働者の数(1日平均)
② 派遣の役務の提供を受けた者の数:派遣先の数(事業年度あたりの事業数)
③ 労働者派遣に関する料金の平均額から派遣労働者の賃金の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の平均額で除して得た割合
④ 教育訓練に関する事項
⑤ 労働者派遣に関する料金の平均額(8時間あたりの派遣料金の平均の額)
⑥ 派遣労働者の賃金の平均額(8時間あたりの賃金額)
⑦ 労使協定方式か派遣先均等均衡方式か
⑧ 労使協定方式の場合は、対象となる派遣労働者の範囲、協定の有効期間