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広範な変更が予定される雇用保険法の改正動向
公開日:2024/03/04
1月26日に開会された通常国会には、雇用保険法の改正に関する法案(改正法案)が提出されました。改正は広範にわたりますが、その中で実務に大きな影響が出ることが想定される点について、以下で確認します。
[1]被保険者範囲の拡大
現在の法令では、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる人が、雇用保険の被保険者とされています。
この被保険者の範囲について、2028年10月1日以降は、1週間の所定労働時間が10時間以上の人も対象となる予定です。
[2]出生後休業支援給付金の創設
現在、一定の要件を満たした従業員(雇用保険の被保険者)が育児休業を取得する場合、出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給されます。
これらの給付率は、休業開始時賃金日額の67%または50%とされていますが、2025年4月1日以降、従業員とその配偶者がともに14日以上の育児休業を取得するときには、28日間を限度に、出生後休業支援給付金として、休業開始時賃金日額の13%が上乗せされて支給されることになる予定です。
[3]育児時短就業給付金の創設
育児・介護休業法には、3歳未満の子どもを養育する従業員が希望したときには、1日所定労働時間を6時間に短縮する育児短時間勤務制度があります。
育児短時間勤務制度を利用する場合、ノーワークノーペイの原則により、短縮した時間分の給与を支払わない企業が多いことから、2025年4月1日以降は、2歳未満の子どもを養育するために育児短時間勤務をし、給与が少なくなったときには、給付率10%を上限として、育児時短就業給付金が支給される予定です。
[4]高年齢雇用継続給付の変更
現在の給付率の上限は15%となっていますが、2025年4月1日以降は、給付率の上限が10%に引き下げられることが決まっています。
このほかにも、教育訓練給付や就業促進手当も改正法案に盛り込まれています。
■参考リンク
厚生労働省「第202回労働政策審議会職業安定分科会資料」