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子のない配偶者の遺族厚生年金 見直し案の公表
公開日:2024/08/06
厚生労働省は7月30日、20代から50代に死別した子のない配偶者に対する遺族厚生年金の制度を見直す案を公表しました。
現行では、主たる生計維持者を夫と捉え、夫と死別した妻が就労し生計を立てることが困難であるとの考えから、妻に対して30歳未満の場合には5年間の有期給付、30歳以上の場合には期限の定めのない終身の給付が行われています。
一方で、夫は就労して生計を立てることが可能との考えの下、55歳未満の場合は遺族厚生年金の受給権が発生しません。
さらに受給権取得当時の年齢が40歳以上65歳未満である中高齢の寡婦のみを対象とする加算があるなど制度上の男女差が存在しており、共働き世帯が増加している現代社会にそぐわないとの背景がありました。
今回の見直しでは、20代から50代に死別した子のない配偶者に対する遺族厚生年金の受給について、生活再建を目的とした期間として男女問わず5年の有期給付とする方針です。
ただし、現在も男女の就労環境には差があるため、引き上げの施行は約20年をかけて段階的に実施される予定です。
男性については、女性の対象見直しと合わせて、給付対象となる年齢を拡大します。
なお、養育する子がいる世帯および60歳以上の高齢期夫婦の一方が死亡したことで発生する遺族厚生年金は、現行制度の仕組みが維持されます。