パートタイマー・期間雇用者雇止め

パートタイマーに対する考え
- 労働者側から見れば家庭優先の補助的なもの、
会社側から見れば業務がなくなれば雇用契約を終了したい、という雇用調整弁の役割を
もつ側面が大きい - 雇用調整弁としてパートタイマーを活用している場合は、雇用を終了したい時に、
終了できる工夫を日頃から心がけておく必要があります
雇い止めとは
期間の定めのある有期契約の社員を期間の満了により更新しないで辞めさせることです
裁判等で雇い止めが無効になると
辞めさせることができず、雇用を継続しつづけなければならない(つまり雇い続けなければならない)ということです。
この場合、一般的には、雇用が継続されていたら得られたであろう賃金や慰謝料等を
請求されます
過去の裁判例
1.臨時的な業務であることが明確である場合は雇い止めが有効
(亜細亜大学事件東京地裁昭63.11.25・・・勤続21年、更新20回)
<判断のポイント>
- 契約当事者が期間満了により契約関係が終了すると明確に認識している
- 更新の手続きが厳格に行われている
- 同様の地位にある労働者について過去に雇い止めの例がある
2.状況によっては雇い止めが有効
(日立メディコ事件最高裁昭61.12.4・・・勤続10ヶ月、更新5回)
<判断のポイント>
- 過去に雇い止めの事例がある
- 業務内容が正社員とは異なる
- 更新手続きを厳格にしている
3.状況によっては雇い止めが無効
(東芝柳町工場事件昭49.7.22・・・勤続10ヶ月~3年10ヶ月、更新5~23回)
<判断のポイント>
- 簡易な更新手続きですませている
- 過去に雇い止めの例がほとんどない
解雇権濫用と判断されるかどうかのポイント
- 雇い止めが認められなかった裁判例も少なくありません
- その可否は下記の内容について総合的に判断されます
1.業務の客観的内容
- 業務内容の恒常性・臨時性
- 正社員との同一性等
2.契約上の地位の性格
- 地位の基幹性・臨時性(嘱託・非常勤講師等)
- 労働条件についての正社員との同一性の有無
3.当事者の主観的態様
- 継続雇用を期待させる雇い主の言動・認識の有無・程度等
- 採用に際しての雇用契約の期間や、更新ないし継続雇用の見込み等についての雇用主側からの説明等
4.更新の手続・実態
- 反復更新の回数、勤続年数等
- 更新手続時における手続の厳格性の程度(更新手続の有無・時期・方法、更新の可否の判断方法等)
5.他の労働者の更新状況
- 同様の地位にある他の労働者の雇い止めの有無等
6.その他
- 有期労働契約を締結した経緯
- 勤続年数・年齢等の上限の設定等
更新の有無と判断基準を明示する
過去の判例を見ると、雇止めが有効な場合や無効な場合など、そのケースによってさまざまです。
平成20年4月から正社員と同視すべきパートの賃金等の処遇を正社員と同じにすることが義務づけられました。
このことも考慮し、パートの賃金等を正社員と区別するなら、職務内容や雇用管理(転勤の有無等)で正社員と明確に区別しておく必要があります。
また、労働条件明示書の記載方法と更新手続きが重要な意味を持つので、契約締結時や更新時に特に気をつけなければなりません。
1.労働条件明示書(雇用契約書)の記載に気をつける
労働契約を結ぶときは、更新の有無とその判断基準を明示しなければなりません。
「自動更新」と書いている場合は雇い止めがむずかしくなるなど、後で重要な意味を持ってきます。裁判では重要な証拠書類になる重要なものですが、こういう意識のない「雇用契約書」や「雇入れ通知書」をしばしば見かけます。
雇用契約書の内容も説明せずに、押印の儀式だけになっている場合は、「これからも同じ条件で働ける」という期待を抱かせてしまいます。
また、更新手続きは遅れずに行う必要があります。契約期間が切れたまま雇用を継続すると、それ以後は「期間の定めのない契約」となります。



