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Q&A

3.時季指定権と時季変更権

Q 年休申請を拒否することはできますか?

A 原則として労働者が希望する日に付与しなければなりません。

労働者の時季指定権

労働者には、「時季指定権」があり、労働者が取得日を決めて、請求することができます。 会社は、原則として労働者が希望する日に付与しなければなりません。

 

業務に支障がある場合は請求された日を変更することができる

会社には時季変更権があり、労働者の請求に対して、その日に休まれると「事業の正常な運営を妨げる場合」は、別の日に変更することができます。ただし、どんな場合でも変更できるわけではありません。
たとえば、シフト制を変更して、代替要員を配置することが可能な場合や、恒常的な人手不足の会社が、人手不足を理由に時季変更権を使うことはできません。
具体的には、事業の規模、内容、労働者が担当する仕事の内容、性質、繁閑、代替勤務者の配置の難易、同じ時季に請求した者の人数などによって判断されることになります。(東亜紡績事件昭33.4.10)
また、長期の取得が事業の正常な運営を妨げるのであれば、認めないことも考えられます。22労働日の連続取得を認めなかった使用者の時季変更権を適法と判断した判例があります(時事通信社事件H4.6.23)

 

いつまでの請求を認めるか

いつまでに請求しなければならないのかについては、法律の定めはありません。3日前、1週間前などと定めている就業規則を見ますが、前々日までとする就業規則が「合理的で有効」とされた裁判例があります。(此花電報電話局事件昭57.3.18)

 

当日の請求を認めるべきか

法律上、年休は1労働日単位で付与されるものであり、0時から24時までが1労働日とされています。当日の朝になって年休の請求があった場合は、すでに0時をすぎているので、事後の請求になります。
事後の請求を認めるか認めないかは、会社の自由になります。

 

出勤日でない日の年休請求

年次有給休暇は、働く義務がある日に請求できるものです。シフト勤務で初めから休日となっている日など、出勤日でない日に取得することはできません。
同様に、働く義務が免除されている休職期間中や育児休業期間中の日を指定して、年次有給休暇を取得することは原則としてできません。(昭24.12.28基発1456、31.2.13基収489)

 

退職者に時季変更権は行使できるか?

よく聞かれるのが、「退職日まで年次有給休暇を取得したいと申し出があったとき、取得させなければならないか?」ということです。
退職予定者には、退職日を超えて「時季変更権」は使えません。そのため、退職日までの年休取得の申出があれば、法律上は認めざるを得ません。
しかし、後任にきちんと引継ぎをして退職するなど、最後まで責任をもって仕事をすることは、社会人として最低限のマナーといえるでしょう。